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Japan Storage Vision 2015
   
ストレージ投資の新しい波、次世代ストレージが拓く可能性
開催報告
Japan Storage Vision 2015を開催

IDC Japanでは、Japan Storage Vision2015を「ストレージ投資の新しい波、次世代ストレージが拓く可能性」をテーマに、2015年2月13日に東京コンファレンスセンター・品川で開催しました。

 

同カンファレンスは、IDC Japanアナリストによる講演と共に協賛スポンサーとして日本アイ・ビー・エム株式会社、レッドハット株式会社、株式会社日立製作所、クラウディアン株式会社、日本電気株式会社、EMCジャパン株式会社(登壇順)の各社からの講演を併せ、合計9つのセッションが提供されるという内容の豊富さでした。当日は延べ337名の受講者の方々にご参加いただき、会場に熱気溢れる中、各社がストレージ運用の改革ビジョンをそれぞれに語りました。IT活用の主体が「クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャル技術を4本の柱とした第3のプラットフォーム」へシフトしていく中で、ストレージの進化がどのようにビジネスに貢献しうるのか、様々な視点から意見が集まるイベントとなりました。

 

講演風景のご紹介


ストレージ市場の変革と企業が取り組むべき課題

IDCJapan株式会社
ストレージ/サーバー/IPDS/PCs
グループディレクター
森山 正秋

 

IDC森山の講演では、国内ストレージ市場予測と共に国内IT市場の構造変化がストレージ市場に与える影響について語られました。また、ユーザー企業が大容量データを管理しなくてはならない時代となってどのようなストレージ管理が求められるようになったか、その課題分析と共に解決策となるストレージ新技術、クラウドストレージ、フラッシュストレージ、Software-Defined Storageをどのような意識でユーザー企業が利用しているかの分析がなされました。また、ストレージインフラの構築に影響を与えるITインフラのコンバージェンス傾向についても考察がありました。講演の最後に森山からは、現在ストレージ市場に変革をもたらしている新技術を積極的に活用し、ITのビジネス活用が第3のプラットフォームへのシフトしていくことを支えること、従来のストレージ投資の判断基準を変え、容量単価を中心とした判断からパフォーマンス単価などの新しい価値基準を加えた基準へと変えること、ハイブリッドクラウドへの発展やSoftware-Defined Data Center構築などを見据えたITインフラの将来ロードマップを踏まえた投資が重要であることなどが提言されました。


ビジネスを加速するデータ量増大への対策:データ中心のITインフラ構築に向けた最新テクノロジーの活用

日本アイ・ビー・エム株式会社
システム製品事業本部
システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト
佐野 正和 氏

 

IBM佐野様の講演は、クラウド、Software-Defined Storage、フラッシュ、Cold Data(低頻度参照データ)というストレージインフラを変革する4つのトレンドを広くカバーするものでした。まず、クラウド構築に適したストレージとして、ストレージ管理負荷を軽減するティアレス型のストレージ「IBM XIV」のアーキテクチャーとその利点が紹介されました。次に、Software-Defined Storageへの取り組みとしては、IBM GPFSテクノロジー(General Parallel File System:分散共有ファイルシステム)を利用したPCサーバーによるクラスタリング・ストレージ「IBM Elastic Storage」と各社ストレージ製品を統合するストレージ仮想化製品「IBM SAN Volume Controller」が解説され、Software-Defined Storageを利用することで得られるユーザーメリットが説明されました。第3に、フラッシュストレージの分野では、「IBM FlashSystem V840」の技術解説と共にいくつかのユーザー事例についても語られました。最後にCold Dataについては、テープにファイルシステムの概念を導入したLTFS(Linear Tape File System )とその実用例としてUSB接続LTOドライブの組み合わせ活用、「IBM LTFS Enterprise Edition」による階層型ストレージやグローバル分散ファイル共有なども紹介され、幅広い製品分野をカバーした講演となりました。


Software Defined Storageのトレンドと技術革新

レッドハット株式会社
クラウドエバンジェリスト
岩尾 はるか 氏

 

レッドハット岩尾様の講演は、Software-Defined Storage発展の歴史から最新のオープンソースのコミュニティの動向までソフトウェアによるストレージインフラ実現の技術を幅広く展望した内容でした。岩尾様はレッドハット社のエバンジェリストであると共にオープンソースコミュニティでもご活躍されている方です。お話の中では、長い歴史を持つソフトウェアによる分散ストレージがどのように進化してきたか、オープンソースとして発展した背景、現在の多様なオープンソースストレージの例などと共に解説されました。レッドハットは現在、CephとGlusterFSの商用ディストリビューション「RED HAT INKTANK CEPH」と「RED HAT STORAGE SERVER」を提供しており、前者がオブジェクト、ブロックストレージとしてOpenStack用、後者がファイルサーバーまたは企業内NASとしてHadoop用に適していることが紹介されました。さらにHadoopについては、現在、最も重要なOSSとして強力なエコシステムが広がっている様子が解説され、進化が続く多様な分析用ツールの例として、SQLライクなクエリ操作が可能なHive、JavaベースのSQLクエリエンジンPresto、リアルタイムのプロセッシングに向くインメモリ分散処理Spark、ログなどのデータ蓄積基盤Fluentdなどが紹介され、それらを支えるストレージ基盤としてのCephおよびGlusterFSを導入する利点や、SDSソリューションの選び方についても語られました。


ビジネスイノベーションを加速する革新的なストレージソリューション

株式会社日立製作所 情報・通信システム社
ITプラットフォーム事業本部 プラットフォームビジネス本部 ストレージビジネス推進部
主任技師
前田 宏幸 氏

 

日立製作所前田様の講演は、ビジネス課題を解決するためにあるべきITの新しい形、そしてそれを支えるストレージインフラはどうあるべきかに焦点を当てた内容でした。現代におけるビジネス環境は、グローバル化、スピードの加速、不確実性の増大、モバイルテクノロジーやソーシャルメディアなどによる生活スタイル変化、モノ売りからコト売りへと変わるサービス化などのキーワードで表される大きな変化にさらされています。これらの変化に対応するにはビッグデータ分析に代表されるITによるビジネス支援が重要になると説かれました。そのようなビジネスの要請に応え、イノベーションをリードするITを日立製作所では「Business-Defined IT」と称しているとのことです。それは「いつでも、どこからでも使用でき、容易に変更・追加が可能なITインフラ(CONTINUOUS CLOUD INFRASTRUCTURE)」であるべきで、ストレージとしてそれを実現したのが、「Hitachi Virtual Storage Platform G1000(VSP G1000)」です。「VSP G1000」が実現する「第4の仮想化global storage virtualization」は、グローバルビジネスに対応した常時データアクセスと高信頼性/高可用性を同時に達成するための技術です。また、高いスループットや高速レスポンスのニーズには日立製作所のフラッシュストレージ「Hitachi Accelerated Flash」の利用により、バッチ処理時間やブート時間の短縮、データ検索やビッグデータ分析の高速化にも対応できることが解説されました。講演の中では、既存ストレージ資産の有効活用、自動的な性能最適化、無停止リプレースなどの課題を持ったユーザーの事例紹介もありました。


国内ファイル/オブジェクトストレージ市場の動向

IDC Japan 株式会社
ストレージシステムズ
マーケットアナリスト
宝出 幸久

 

IDC宝出の講演では、ファイル/オブジェクトストレージ市場の動向と、ユーザー企業の非構造化データ向けストレージインフラ利用傾向について、国内ファイル/オブジェクトストレージ市場規模予測を含めた解説がありました。ユーザー企業における非構造化データ増の傾向は以前から言われておりましたが、「第3のプラットフォーム」の台頭によるユーザー数やデバイス数などデータ生成源の飛躍的増加やビッグデータ分析ニーズの高まりにより、データ種類の多様化とデータサイズの拡大が同時に起り、さらなる管理負荷の増大につながっています。その傾向の中で需要が高まっているのが非構造化データ用のストレージインフラとして利用されるスケールアウトNASやオブジェクトストレージです。また、アーキテクチャー進化やデリバリー方法の変化としてSoftware-Defined Storageが台頭していることも市場変化を加速しています。このような状況に対し、ユーザー企業は拠点内のファイルサーバー統合から拠点間の統合へ向かおうとしていたり、パブリッククラウドの利用やオンプレミスとククラウドのハイブリッド連携も視野に入れ始めたりしているという調査結果も紹介されています。このような状況を受けて、宝出から提言されたのは、ビッグデータ分析やIoTなどの新たなワークロードによるデータ増加を視野に入れ、新ストレージアーキテクチャの積極的な採用を検討すること、データ管理の効率化と分析ニーズへの対応にはデータの一元管理が重要であり、ビジネス価値の創出を支えるインフラ構築が必要となるということでした。


急増する非構造化データに直面する企業ITにおける「次世代ストレージ」の使いどころ

クラウディアン株式会社
取締役 COO
本橋 信也 氏

 

クラウディアン株式会社本橋様の講演では、非構造化データの増加とサイロ化、長期保存データの効率的な運用、クラウドのビジネス利用におけるセキュリティ、複数拠点におけるデータ保護/災害対策と管理負荷増大などの課題に対して、オブジェクトストレージが有効な解決策になることが説明されました。オブジェクトストレージの特徴は、①ファイル構造のような階層構造が無く、データ管理を柔軟に行えるため、大量データを扱うことが得意、②インターネット経由でのデータの読み書きが得意、③各オブジェクトに属性情報(メタデータ)をカスタマイズして付与でき、データ管理が柔軟・効率的、ということです。オブジェクトストレージ製品の中でも「CLOUDIAN HyperStore」は、スケールアウト型Software-Defined Storageとして、Amazon S3 API完全準拠、同期・非同期複製による分散データの柔軟な保護管理と拡張、マルチテナント(複数利用者共有)機能、対象データサイズや規模に依らない柔軟性、統計/課金/ユーザ管理/運用監視機能がターンキーソリューションとして準備されていることなどが紹介されました。このような性質を生かすには、パブリッククラウドサービスと同等のファイル同期・共有サービスを企業自身がセキュリティを確保しながらオンプレミスでのストレージ構築、低廉なコストのバックアップとオンライン利用が可能なアーカイブのためのセカンダリストレージとして活用、複数拠点に渡りサイロ化したストレージを統合する広域共通基盤、ビッグデータ分析ストレージなどの適用例が提案されました。


企業ITシステムの運用課題に対するNECストレージの取り組み

日本電気株式会社
ITプラットフォーム事業部
シニア・エキスパート
竹森 恭子 氏

 

NEC 竹森様の講演は、クラウドの利用が浸透し、ビジネス環境が素早く変化するなかで、ユーザーニーズに対応するためのデータセンター運用にはSoftware-Defined Infrastructureが重要な解決策となることを説く内容でした。クラウドの進展により新たに顕在化してきた課題としては、管理しきれないほどのICT機器数の増大、ビジネス展開のグローバル化対応、ビジネス部門の「すぐに始めたい!」に応える即応力、などを挙げることができます。ストレージアーキテクチャーとしても、これらの課題に対処するために抽象化/自動化/スケーラビリティ強化を図るにはSoftware-Defined Storageが鍵となるとのことです。NECのSDSは「SigmaSystemCenter」による管理の仮想化と「iStorageシリーズ」による物理リソースの仮想化の二つのレイヤーで実現されています。それによって、ストレージ性能のサービスレベルを設定し、重要業務の応答速度を確保することやOpenStackなどのAPIによる運用自動化までも可能とします。また、NECのビッグデータに対する取り組みについても紹介があり、新たなデータの活用策としてM2M・センシングデバイス、画像解析、情報活用を高度化するデータ格納としてDWH/BI、大容量アーカイブストレージの4つの分野で事例が増えていること、それを支えるストレージとしてSDSアーキテクチャーを利用したデータ自動配置やテープストレージを含む階層管理が有効であることが解説されました。


テクノロジのイノベーションがもたらすストレージソリューションの進化

EMCジャパン株式会社
執行役員 システムズ・エンジニアリング本部長
飯塚 力哉 氏

 

EMCジャパン飯塚様の講演では、EMCの発展の歴史とストレージ技術進化の振り返りに続いて、第3のプラットフォーム時代の新たなビジネス要件を満たすストレージインフラとして、イノベーションがもたらす3つの中核技術としてフラッシュ技術、Software-Defined Storageソリューション、データレイクについて解説がなされました。フラッシュストレージについては、「EMC XtremIO」が従来のフラッシュにあった寿命やパフォーマンス一貫性などの課題を解決するキーテクノロジーとして備えている、インライン重複排除&圧縮、フラッシュに最適化したデータサービス、スケースアウトアーキテクチャーについて、事例と共に説明されました。Software-Defined Storageについては、ハードウェアに依存せず即座に必要なデータサービスを利用可能にできる基盤を実現するものとして、「ViPR」と「ScaleIO」が紹介されました。「ViPR」を導入することで、1つのハードをオブジェクト/HDFSストレージとして利用したり、ファイルストレージをオブジェクトとして利用したり、マルチベンダーのストレージ管理を統合したり、セルフポータルでユーザー自身がサービス定義したり、様々なことが可能になるとのことです。また、「ScaleIO」はコモディティサーバーにインストールしてスケールアウト型のブロックストレージが構成できるソフトウェアで、大きな拡張性を持っています。3つ目のデータレイクでは、分析対象となるデータを一か所に集約し、HDFSを含むマルチプロトコルでアクセス可能にし、データ分析のコストと時間を削減するメリットが訴求されました。それを実現するコアとなるのはスケールアウトNAS「EMC Isilon」とのことです。また、講演の最後には進化するフラッシュ戦略として、さらなる高速化を目指すEMCのM&Aを含む取り組みも紹介されました。


新ストレージ技術の成熟度と運用進化の方向性

IDC Japan株式会社
ストレージシステムズ
リサーチマネージャー
鈴木 康介

 

当日、最後となったIDC鈴木の講演では、Storage Vision 2015を通して数多く語られたフラッシュストレージやSoftware-Defined Storageが日米のユーザーにどのように認識され、利用されているのかを比較し、テクノロジーの成熟度を考察する内容となりました。フラッシュストレージとしては、現在、オールフラッシュストレージの市場拡大が堅調で、Tier0と呼ばれることもある高速性を重視するストレージ需要にほぼ行き渡り、Tier1ストレージ(従来型ディスクアレイ)の代替へと市場を拡大している傾向が出てきています。オールフラッシュストレージとハイブリッドフラッシュストレージの選択基準は「レイテンシーでミリ秒以下を求めるか否か」、「QoS(アクセス性能)のばらつきをアプリケーションとして許容できるか」という点が重視されていることも解説されました。Software-Defined Storageについては、ブロック、ファイル、オブジェクト、ハイパーコンバージドなど様々な製品が出てきていること、SDSの利点は①パフォーマンス、可用性、拡張性などの要件を自由に組合せられること、②運用の高度な自動化へ進みやすいこと、③クラウド連携が行いやすい点などにあることを説明していました。講演の結びの提言としては、ストレージの戦略的な選択によってビジネスへの貢献が可能になってきた状況を受けて、ビジネス展開とサービス提供の迅速化やユーザーエクスピリエンス進化をリードするにはビジネスニーズに適したフラッシュストレージの選択が重要となること、ビジネスニーズや環境の変化に対応するにはSoftware-Defined Infrastructureの実現に向けてOSSの利用も視野に入れた取り組みが必要となることが訴えられました。

プラチナスポンサー
株式会社日立製作所 富士通株式会社
 
ゴールドスポンサー
レッドハット株式会社 日本アイ・ビー・エム株式会社
日本電気株式会社 EMCジャパン株式会社
メディアパートナー
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