世界/国内ブロックチェーン関連市場予測を発表


2018年9月5日
IDC Japan株式会社
 ·  世界のブロックチェーン関連支出額は、2018年の15億ドルから2022年には117億ドルへと順調に成長
 ·  支出額の大きいユースケースは、クロスボーダー決済、来歴管理、貿易金融/ポストトレード決済など
 ·  国内支出も、2018年の49億円から2022年に545億円へと急速に拡大

IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、ブロックチェーン関連市場予測を発表しました。最新のWorldwide Semiannual Blockchain Spending Guideによると、ブロックチェーンに関連する世界の支出額は、2022年に117億ドルに達する見込みです。ブロックチェーンへの支出は、2017年~2022年の予測期間を通じて順調に増加し、5年間の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は73.2%になるとIDCでは予測しています。また、2018年の支出額は15億ドルと見込まれ、これは2017年の支出額の約2倍です。


「ブロックチェーンへの強い関心は、地域の枠を超え世界共通である。企業や組織は、このテクノロジーをビジネスに適用する可能性を追及し続けている」と、米国IDC Customer Insights & Analysis リサーチマネージャーのステイシー・スーフーは述べています。さらに続けて「ブロックチェーンに対する規制への懸念や、業界標準の必要性が、引き続きブロックチェーンの広範囲の普及を妨げる要因となっており、世界中の政府と企業が共同でブロックチェーンに関するポリシーとガバナンスの策定に取り組んでいる。そのような状況において、企業の枠を超えたコラボレーションとブロックチェーンの相互運用性が、分散台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)の成長に不可欠な要素として浮上している」と述べています。


ブロックチェーンへの支出額を主要地域別(図1)にみると、最大のブロックチェーン投資が見込まれる地域は米国で、その支出額は予測期間を通じて全世界の支出額の36%以上を占めると予測しています。西ヨーロッパ、中国、および日本と中国を除くアジア太平洋地域(APeJC:Asia Pacific excluding Japan and China)がこれに続きます。IDCでは、本Spending Guideで取り上げている9つのすべての地域で、2018年~2022年の予測期間にブロックチェーン支出額の大幅な増加を見込んでおり、中でも日本とカナダが、それぞれのCAGRが108.7%、86.7%と、最も大きく成長すると予測しています。


産業分野/セクター別の支出額では、金融セクター(2018年に5億5,200万ドル)が主導すると見込まれ、銀行における急速な採用がその主な促進要因になります。また流通/サービスセクター(2018年に3億7,900万ドル)で、小売および専門サービスによる手堅い投資が見込まれる一方、製造/資源セクター(2018年に3億3,400万ドル)では、組立製造およびプロセス製造が投資を牽引すると予測しています。これを地域別にみると、米国では、流通/サービスセクターで最大のブロックチェーン投資が見込まれます。また2018年において、西ヨーロッパ、中東およびアフリカ(MEA:Middle East and Africa)、中国、およびAPeJCで、ブロックチェーンへの支出をリードしているのは金融セクターです。一方、成長率で見た場合、世界で最も急速な成長が見込まれる産業分野は、プロセス製造(CAGR 78.8%)、専門サービス(同77.7%)、および銀行(同74.7%)です。


金融セクターにおいて、ブロックチェーンは、クロスボーダー決済、貿易金融/ポストトレード決済、コンプライアンス対応、カストディ(有価証券の管理など)/資産管理をはじめ、多数の一般的なユースケースに適用されます。また、流通/サービスおよび製造/資源セクターの有力なユースケースとしては、資産/商品管理、来歴管理などが挙げられます。世界市場全体では、クロスボーダー決済が、2018年に最大の支出(1億9,300万ドル)が見込まれるユースケースであり、来歴管理(1億6,000万ドル)、貿易金融/ポストトレード決済(1億4,800万ドル)がこれに続きます。この3つのユースケースへの支出額は、2022年においてもすべてのユースケースの中で上位3位であり続けます。


「今後、来歴管理や資産/商品管理を中心に、ブロックチェーンの最大の支出および成長が見込まれる。サプライチェーンの複雑性、情報の不完全性と相まって、サプライチェーンに関連する不祥事の増加がブロックチェーンへの投資やプロジェクト実施を促進するであろう。サプライチェーンのステークホルダーは問題をエンドツーエンドで解決することに関心を持っている。製造業では製品の配送保証にニーズがあり、小売業や卸売業では販売商品の有効性や品質の保証にニーズがある。さらに消費者は、供給者に対して、商品に関するより高い透明性を求めている」と、米国IDC Customer Insights & Analysis バイスプレジデントのジェシカ・ゴエプファートは述べています。


テクノロジー分野別では、予測期間を通じて、ITサービスとビジネスサービスが、ブロックチェーンへの支出額全体の約70%を占める見込みです。ブロックチェーンプラットフォームソフトウェアは、ITサービスとビジネスサービスに続いて支出額の大きい分野であり、セキュリティソフトウェアと共に最も急成長を遂げる分野の1つです。


Worldwide Semiannual Blockchain Spending Guideでは、9つの地域における19の産業分野と16のユースケース別に10のテクノロジー分野別の支出データの形で、急成長するブロックチェーン市場規模予測を提供しています。IDCでは、ブロックチェーンを取引または記録のデジタル分散台帳と定義しています。ブロックチェーンでは、情報やデータを保管する台帳は、ピアツーピアネットワークの複数の参加者にまたがって存在し、台帳を保管する単一の中央リポジトリーは存在しません。ブロックチェーンでは、セキュアな電子署名または暗号署名を使用することで、既存のトランザクションチェーンに新しいトランザクションを追加できます。ビットコインなど、各種の暗号通貨に関連する支出額は、本Spending Guideには含まれません。本Spending Guideは、IT意思決定者がブロックチェーン関連の支出額について、現在および今後5年間にわたる、産業固有の適用分野や方向性を把握できるように包括的に編集されています。


また、Worldwide Semiannual Blockchain Spending Guideでは、日本国内のブロックチェーン関連市場についても公表しています。同Spending Guideによると、国内の市場規模も、2018年の49億円から2022年に545億円へと急速に成長する見込み(図2)です。「日本は高信頼社会であり社会基盤の整備も進んでいることから、海外と比べてブロックチェーンの必要性に対する意識の高まりはやや遅く、国内における2018年のブロックチェーン関連支出額は世界の2.9%に留まる。しかし今後、サプライチェーンへのブロックチェーン導入を始めグローバルな取り組みの拡大などを受けて、国内でのブロックチェーンへの投資も急速に増加するであろう」と、IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野 陽子は述べています。


IDC Spending Guideについて
IDC Spending Guideは、主要テクノロジー市場の動向を、地域、産業分野、ユースケース、バイヤー、テクノロジーの観点から詳細に分析しています。IDC Spending Guideは、ピボットテーブル形式またはカスタムクエリツールによるセルフサービス型サービスとして提供され、ユーザーはデータのトレンドや関係を見ることによって、各市場に関する有益な情報を簡単に抽出することができます。


※本プレスリリースは2018年7月19日の米国IDC(マサチューセッツ州 フラミンガム)による発表の日本語訳をベースとしています。



(※詳細については へお問い合わせ下さい。)




<参考資料>

図1 ブロックチェーン市場 支出額予測 (主要地域別)、2017年~2022年
図1 ブロックチェーン市場 支出額予測 (主要地域別)、2017年~2022年
Note: 日本は「その他」に含まれる
Source: IDC Worldwide Semiannual Blockchain Spending Guide 2017H2, 9/2018

 

図2 国内ブロックチェーン市場 支出額予測、2017年~2022年
図2 国内ブロックチェーン市場 支出額予測、2017年~2022年
Source: IDC Worldwide Semiannual Blockchain Spending Guide 2017H2, 9/2018

 

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