~基幹業務システムのITインフラはクラウドサービスへ大きくシフトか~
国内エンタープライズインフラ市場 ユーザー動向調査結果を発表


2018年4月12日
IDC Japan株式会社
 ·  経営課題の優先順位上位3項目は、順に「営業力の強化」「ビジネスモデルの変革」「新規ビジネスの創出」
 ·  昨年の調査との比較では「新規ビジネスの創出」が1位から3位に後退
 ·  ミッションクリティカルな基幹業務システム向けITインフラの支出パターンは、次期更新時に、オンプレミスからクラウドへと大きくシフトする可能性が示唆された

IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内エンタープライズインフラストラクチャ市場に関するユーザー動向の調査結果を発表しました。


経営課題の優先順位上位3項目は、昨年の調査(2017年3月実施)と同じ「営業力の強化」「ビジネスモデルの変革」「新規ビジネスの創出」でした。成熟した国内市場においてデジタルトランスフォーメーション(DX)による変革を目指す必要があるとの認識が経営層、業務部門、情報システム部門(IT部門)において共有されています。昨年の調査結果との比較では、上位3項目のうち「新規ビジネスの創出」の比率が低下する一方で、「営業力の強化」「ビジネスモデルの変革」が上昇しました(図1)。まず既存事業を強化した上で新規事業の創出に注力したいとする意向が調査結果に表れたと考えられます。


上位3項目の経営課題の解決手段として活用している、あるいは活用したいITテクノロジーとして、「IoT(Internet of Things)」「機械学習/認知システム/AI」がそれぞれ1割前後を占めました。その一方で、DXへの取り組みに新たなテクノロジーを活用する上での阻害要因として「デジタルビジネスのアイデアを持つ人材が不足している」を挙げる回答者が突出して多い結果となりました。この阻害要因が新規ビジネスの創出への取り組みに対する意欲を低下させた可能性があります。IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャーの福冨 里志は「ユーザー企業が新たなITテクノロジーをまずは既存事業の強化に生かし、成功体験を通してノウハウを蓄積した上で、新規ビジネスの創出に取り組むといった道筋を描けるように、ITサプライヤーは顧客とのエンゲージメントを深めていく必要があろう」と述べています。


また、ミッションクリティカルな基幹業務システムへの投資意向について、「オンプレミスか、クラウドサービスか」 「オープンシステムか、プロプライエタリーシステムか」といった視点から次期更新時の対応について質問しました。前者では、最もミッションクリティカル度が高い基幹業務システムを回答者の83.5%が現在オンプレミスで運用しており、クラウドサービスは15.6%に留まりました(図2)。しかし、次期更新ではオンプレミスが55.0%、クラウドサービスが43.8%で更新という結果でした。さらに、現在オンプレミスで採用しているサーバーは、オープンシステムが回答者の44.2%、プロプライエタリーシステムが39.3%でした。次期更新では、共に低下してオープンシステムが回答者の30.4%、プロプライエタリーシステムが24.6%でした。つまり、ITサプライヤーにとっては、オープンシステムであれプロプライエタリーシステムであれ、基幹業務システムのオンプレミスの顧客ベースが3~4割程度減少することを示唆しています。


ミッションクリティカルな基幹業務システムにおいてもクラウド化が進行するとの調査結果でしたが、「次期更新でクラウドサービスを採用する」とした43.8%のうち、3割強の回答者(14.4%)は「メインフレーム/オフコンに対応したクラウドサービス」や「サーバー/ストレージベンダーのクラウドサービス」を採用するとしています。つまり、ITサプライヤー、特にサーバーベンダーやストレージベンダーは、オンプレミスでの需要減退を自社が提供するクラウドサービスで補えるかが、インフラストラクチャビジネスの維持に極めて重要になると考えられます。


今回の発表はIDCが発行したレポート「2018年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別支出トレンド分析:SoR、SoE、SoIの支出パターンの変化を探る」(JPJ42923418)にその詳細が報告されています。本レポートでは、DXに取り組むに当たり、ITバイヤーが抱えている阻害要因について、経営課題の共有およびテクノロジーの活用に関する認識、そしてDX関連テクノロジーの活用実態の分析を通して考察しています。また、インフラストラクチャのシステムタイプといった視点から支出パターンの変化について議論しています。具体的には、SoR(Systems of Record)としての基幹業務システムと、SoE(Systems of Engagement)やSoI(Systems of Insight)で重要度が高いと考えられるAI(Artificial Intelligence)やビッグデータの活用に着目した上で、インフラストラクチャへの投資意向などについて分析しています。



(※詳細については へお問い合わせ下さい。)


レポート概要はこちら    2018年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別支出トレンド分析:SoR、SoE、SoIの支出パターンの変化を探る



<参考資料>

図1. 最優先の経営課題
Q. 貴社における優先順位が最も高い経営課題は何ですか?
図1. 最優先の経営課題
Note: 2017年の調査結果は『2017年 国内エンタープライズインフラストラクチャ市場 ユーザー動向調査:DXとベンダー選定(IDC #JPJ41773917、2017年4月発行)』を参照

Source: IDC’s Japan Enterprise Infrastructure Demand Survey, 4/2018


 

図2. 基幹業務システムのITインフラ導入状況と次期更新での採用意向
Q. 貴社の基幹業務システムのうち、最もミッションクリティカル度が高いシステム用のITインフラ(サーバー/ストレージ)の導入状況について、現在と次期更新後に考えられる状況について最も近いものを1つ選択してください。
図2. 基幹業務システムのITインフラ導入状況と次期更新での採用意向
Note: 情報システム部門(IT部門)の回答のみを集計

Source: IDC’s Japan Enterprise Infrastructure Demand Survey, 4/2018


 

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